持続可能性は現代社会においてもっとも重要な課題のひとつである。我々人間社会は世界的観点から自身の持続可能性を熟慮するための視点を必要としている。2017年は国連の持続可能な観光国際年として多くのイベントが開催された。更に、現在2030年持続可能な開発目標(SDGs)がかかげられ持続可能性に関する議論が国内外で着実に進展している。
現在、豊富な経済・社会・環境に関するデータが情報通信技術の発展によって利用できるようになってきている。例えば、人口に関する位置情報を含む高解像度データを有するし、輸送に関する2地点間データや、電子商取引プラットフォームから得られる経済活動に関するデータを利用することができるようになりつつなる。これらのデータに基づき、我々は我々自身の社会活動を理解することができ、また、改善点を見出すことができるようになると期待されている。しかしながら、それらを実際に行うためにはいくつかの課題が存在している。特に、現実とデータとの接点を体験に基づき経験し、主観と客観の両面から現実を理解しつつ、将来を予期する視点である。
本ワークショップでは国連世界観光機関が提唱する持続可能な観光のための指標開発のための枠組みを利用し、参加型プロセスにより京都において持続可能な観光を実現するための参加型デザインをフィールド調査とデータ分析とを連携させて行う。更に、いくつかの招待講演による基調講演を行い、これと参加型デザイン手法による各グループによる提案の発表会を開催し、データに基づく持続可能な観光を京都に根付かせるための共同作業を実施する。
このワークショップでは2つの目標を設定する。
- 異分野間の相互理解
- 持続可能な観光機会の発見
これらを達成するために、本ワークショップでは1チーム6名からなるチームを構成し、各チームは
- 特定の分野において選択された「持続可能な観光」のトピックスを定義する
- 経済社会環境データの分析と京都市内での参与調査を行う
- 持続可能な観光を京都に実装するために必要となる長期ビジョンの提案を作成する
- 立案された提案は3日目にチームごとに発表する
を共同で行う。本ワークショップは参加型ワークショップの形式をとるため参加条件としてワーク3日間ともに参加することを参加条件として課す。