海外の状況

2020年3月27日版(2020年3月30日更新)

文責:佐藤彰洋(ahsato@yokohama-cu.ac.jp)

海外における感染者数の確認報告からその動向について調べる。特に、欧米で流行が確認されているCOVID-19のウイルス(L亜型)は、これまで日本で感染が確認されていたウイルス(S亜型)とは、感染力および死亡率に違いがあることが知られている。欧州各国で推定されるパラメータは日本で確認される値よりも、全体的に大きな値が確認された。モデルは確率的遅れ付SIRモデルを用いた。

このページのまとめ

適合データ期間感染率 \alpha除去率 \beta社会的距離戦略減少目標値 q
スペイン2020年3月10日~2020年3月26日 3.185358 0.114667 3%
ドイツ2020年3月10日~2020年3月26日 2.883671 0.111333 3%
ポーランド2020年3月10日~2020年3月28日 6.620546 (before 12 March 2020), 3.972328 (after 13 March 2020) 0.14 2%
イタリア 2020年3月10日~2020年3月28日 0.569880 0.062000 10%

分析結果

スペイン

  • 総人口: N0=46,660,000
  • 感染率: \alpha=3.185358
  • 除去率(または回復率): \beta=0.114667
  • 終息のための社会的距離戦略の減少目標値: 3%
シミュレーション結果〇、日次感染者数●
社会的処理戦略の減少目標値qを2020年3月26日に変化させた場合の感染者数の時系列。減少目標値により減衰速度に変化が確認される。

ドイツ

  • 総人口: N0=83,713,981
  • 感染率: \alpha = 2.883671
  • 除去率(または回復率): \beta = 0.111333
  • 終息のための社会的距離戦略の減少目標値: 3%

ドイツにおける国土平均場近似によるパラメータ推計値を計算し、このパラメータ値に対して直接接触頻度をそれ以前の社会経済活動を参照として減少目標値qと設定し、実施した場合の感染者確認数の時間発展をシミュレーションにより算出した。

直接接触頻度(感染率)減少目標値qが小さいほど、環境中に存在する感染者数は急速に減少し、終息まで短期間化されることが確認できる。q \geq 0.04では終息は極めて長期化するまたは終息させることができないと予想する。

ドイツは全土の都市封鎖(ロックダウン)を2020年3月22日(日)より実施している。その効果は2020年4月5日(日)から確認され始めると予想される。都市封鎖時における、感染率低減目標値は3%以下である。すなわち、直接接触頻度をドイツ国民全てが3%以下まで低下させることによりピークアウトが確認されると予想する。数値シミュレーションから、ピーク時の感染者確認総数はドイツ全土で45万人以上に達すると概算される。

シミュレーション結果〇、日次感染者数●
社会的処理戦略の減少目標値qとする都市封鎖(ロックダウン)を2020年3月22日(日)より実施したシナリオにおける日次感染者確認数のシミュレーション予想結果。減少目標値により減衰速度に変化が確認される。

ポーランド

  • Total population: N0=37,857,084
  • infection rate \alpha=6.620546 (before 12 March 2020), 3.972328 (after 13 March 2020)
  • removed rate \beta=0.111333
  • reduction target to end the epidemic spread: q= 2%
シミュレーション結果〇、日次感染者数●
社会的処理戦略の減少目標値qとする都市封鎖(ロックダウン)を2020年3月29日(日)より実施したシナリオにおける日次感染者確認数のシミュレーション予想結果。減少目標値により減衰速度に変化が確認される。

イタリア

  • Total population: N0=60,484,278
  • infection rate \alpha=0.569880
  • removed rate \beta=0.062000
  • reduction target to end the epidemic spread: q= 10%
シミュレーション結果〇、日次感染者数●
社会的処理戦略の減少目標値qとする措置を2020年3月29日(日)より実施したシナリオにおける日次感染者確認数のシミュレーション予想結果。減少目標値により減衰速度に変化が確認される。