法律的解釈に関する検討

2020年4月10日

文責:佐藤彰洋(ahsato@yokohama-cu.ac.jp)

ここでは、COVID-19と各種事業法との関係について議論する。COVID-19の感染者が確認されることにより、各種法律者法上で法律上問題になっている事例、また、法律上実行が認められる内容について検討・研究する。

鉄道営業法

鉄道営業法明治三十三年法律第六十五号)によると、

第四条 伝染病患者は国土交通大臣の定むる規定に依るに非ざれは、乗車せしむることを得ず。

2項 付添人なき重病者は之を拒絶することを得。

第四十一条 第四条ノ規定ニ違反シ伝染病患者ヲ乗車セシメタル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス伝染病患者其ノ病症ヲ隠蔽シテ乗車シタルトキ亦同シ

というものがある。

今回のCOVID-19の感染者の事例を調べてみると、知らずとも発症し感染力を有する状態にあって鉄道を利用した事例が複数確認されている。

例えば、症状があるにも関わらず新幹線を利用した事例や、空港からの移動に鉄道を使用している事例がある。

FNN PRIME 1人は発症した日に新幹線利用…海外からの帰国者2人が新型コロナに感染 それぞれタイとフランスから   2020年4月5日 日曜 午前5:55

このような事例は新聞・テレビ報道でも公にされているが、症状があるにもかかわらず、鉄道を利用した本人に責任を問うこともあるが、同時に、鉄道事業者は鉄道営業法を違反していると解釈することもできる。

更に、現在、COVID-19の無症状期間の感染者が鉄道を日常的に利用して、感染を広げている可能性は十二分に存在する。

この状況を考えると、緊急事態宣言下において自粛要請をする上では、特に鉄道を利用しなければならない業種(医師、看護師、感染症の管理のための国家公務員、地方公務員、調査業者、食料品販売者)の労働者に対しては全員PCR検査により陰性を確認の上、感染者でないことを確認したうえで鉄道利用を許可する許可証を発行しなければ利用できないという措置を行わうべきでと考える。さもなくば、鉄道事業者は鉄道営業法に違反しているのではないか。

旅館業法

旅館業法昭和二十三年法律第百三十八号)によると

第五条 営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。

一 宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。

とある。旅館やホテルはCOVID-19の感染者が家族との接触を避けるために宿泊しようとすることについては、その宿泊を拒否してもよいことが法律で認められている。

例えば事例として新聞テレビ報道で公にされているように、COVID-19の感染者が、ホテルで一時的に自己隔離をおこなっていたという事例が発生している。

ITmediaビジネス まずは保健所に相談を:家族を新型コロナに感染させないための“避難所”に? ホテルが休業に追い込まれる  2020年04月08日 10時03分

これに対しては宿泊施設は拒否することが法律的には可能である。そのため緊急事態法の特定地域となっていない都道府県において、宿泊施設にCOVID-19の感染者が一時的な自己隔離を目的として滞在していることが判明した場合においては宿泊を拒否しても問題ないと考える。